子どものころからの
予防が大切！
子供の歯は時期がくれば永久歯へと生え変わるため、親御さんの中にはむし歯のままでも大丈夫と考えていらっしゃる方が多くいらっしゃいますが、子供のむし歯は将来のお口の健康に大きな影響を与えます。子供の歯が健康であるかないか、正しく治療がなされているのかいないのかで、将来の永久歯の歯並びや成長期における身体の発育にまで大きく影響を及ぼします。近年では、お子さんの永久歯が先天的に欠損しているというケースが多く見られるようになってきました。そうしたケースでは、本来生え変わるはずの永久歯に生え変わらず、ずっとその歯を使い続けていくことになります。そのため、永久歯の卵（歯胚）が確認出来るまで、しっかりとケアし、子供の歯がむし歯にならないように注意していく必要があります。
小児歯科メニュー
フッ素塗布
フッ素は歯の健康に重要な役割を果たし、大きく3つの効果があります。
- 歯の結晶構造を強化することで、むし歯菌の酸による溶解を抑制する。
- 歯の再石灰化を促進し、初期のむし歯を治癒する。
- むし歯菌の活性を抑制し、酸を生成するプロセスを阻害する。
高濃度フッ素を歯に塗ることで、これらの効果を最大限に活用し、むし歯予防を行います。フッ素入り歯磨き粉やフッ素ジェル、フッ素洗口などは、自宅での重要なホームケアですが、高濃度フッ素塗布は歯科医院でのプロフェッショナルケアとなります。約3〜4ヶ月の効果が持続し、ホームケアと併用することで、老若男女を問わず予防効果が高まります。定期的に塗布し、予防効果を持続させることが大切です。
シーラント
シーラントとはむし歯予防法の一つで、特にむし歯にかかりやすい奥歯の溝をフッ素含有保護材であらかじめ埋めてしまうというものです。成熟していない永久歯や、石灰化度が低くむし歯になりやすい子供の歯、特に6歳臼歯で有効な方法です。シーラントは歯の溝を埋め、むし歯から守る方法なので、歯と歯の隣接面を保護するような事は出来ません。日々の歯磨き、フロス、歯科医院での定期的な高濃度フッ素塗布と合わせて行う予防法になります。こういった適切な予防処置を行う事で、むし歯の実に80％以上は予防可能と言われております。
またシーラントは時間経過とともに剥がれてくる部分が出てくる可能性がありますので、定期検診できちんとチェックしてもらい、必要があれば再度充填することをおすすめしております。
ブラッシング指導
お子さんの歯の健康を守るために、成長段階や歯並びに応じた適切なブラッシング方法をご紹介いたします。乳幼児の場合は、柔らかい歯ブラシを使用し、歯ぐきや歯の表面をやさしくマッサージするようにブラッシングしてください。歯が生え始めたら、小さな円を描くように歯ブラシを使い、歯の表面を丁寧に磨いてください。また、親御さんには仕上げ磨きの方法やポイントをご説明しますので、日々のケアにご活用ください。特に、就寝中は唾液の分泌が減少し、むし歯のリスクが高まるため、就寝前の仕上げ磨きを習慣化することが重要です。お子さんの歯並びや健康を守るために、ブラッシングを丁寧に行い、定期的に歯科医院でのケアも受けるよう心がけましょう。
むし歯のリスクを
抑える生活習慣
赤ちゃんが生まれたばかりの頃は、お口の中にはむし歯菌は存在しません。しかし、周りの家族が同じ食器を使ったり、赤ちゃんの口に触れたりすることで、大人からむし歯菌が感染する可能性があります。そのため、家族が食器の共有を避け、赤ちゃんのお口に直接触れる際は手洗いを徹底することが重要です。また、甘いおやつやジュースを頻繁に与えることもむし歯の原因になります。赤ちゃんの食生活を見直し、歯の健康を守るために栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
赤ちゃんが歯磨きをすることができるようになるまでは、親が歯磨きをしっかりと行うことが重要です。歯磨きを行う際には、赤ちゃんの口の中を優しく掃除し、磨き残しを防ぐように注意してください。赤ちゃんのお口の健康を守るために、家族全員で衛生管理に配慮し、定期的な歯科検診を受けることをおすすめします。
子どもの歯の健康を
守るために
当院では、むし歯を治療するのではなく、予防することが重要であると考え、親子で定期的に歯科医院を受診することを推奨しています。親御さんが歯科医院に通うことで、お子さんの歯の健康意識を高め、歯医者嫌いにならず、歯の健康維持に積極的に取り組む姿勢が育まれます。歯の健康を守るためには、家庭での歯磨きが欠かせません。親御さんがお子さんと一緒に歯磨きや仕上げ磨きを行うことで、口腔衛生の習慣を身につけることができます。また、歯並びや噛み合わせの問題がある場合は、矯正治療を検討することも重要です。歯並びや噛み合わせが改善されることで、歯磨きがしやすくなり、歯の健康を維持することに繋がります。